こんにちは。編集部の山口禎子です。
本日はこれから迎えるAI時代に必要な、新しい産業、日本の方向性について、お話をうかがっていきたいと思います。
戦後、高度経済成長をけん引し、日本のブランドを確立した「モノづくり」産業。
激動の時代において、低コスト優位による新興国の台頭、デジタル化による作業工程や人員の削減など、日本のモノづくり産業自体が大変厳しい状況に置かれています。
このような国際競争力の低下と同時に、戦前から続くモノづくり企業の経営は、近年の激しい変化の中で方向性や将来性を見出せず、2代目、3代目への継承を断念する企業も増えています。
このような状況においてnTech(認識技術)は、今後の日本のモノづくり産業に対して、どのような希望、新しい方向性を見出すことができるのでしょうか。
では、本日の相談内容を紹介させていただきます。
【相談者】
58歳 男性 金属切削加工(旋盤)工場 3代目経営者
【相談内容】
会社の将来性に対して不安を抱いています。
当社は特殊技術を扱っており、大学の研究室などに試作品用の部品を提供しています。
高い技術力で即日対応、少ロット数注文など、お客様の細かなご要望にもお応えする事で、長い期間継続して受注してきました。
しかし、年々受注は減る一方で、このままではいずれリストラも考えざるを得ない状況となり、毎日、どうすれば会社の人員を維持しながら売上をあげることができるのかを考えています。
これまでは、社員の技術力を高めることに時間とお金を投じてきたのですが、これもAIの登場により、今までのやり方に対して限界を感じています。
以前、Nohさんの講演会で「人間にしかできない仕事が必要」というお話しがあり、「確かにそれが必要だ!」と思ったのですが、なかなか具体的なイメージができません。
“人間にしかできない仕事”とは一体どんな仕事で、どのように社会に提供していけるものなのでしょうか?
この産業は、AIの登場によって大きな変化を求められています。
日本でモノづくりに携わる方は1,592万人。(引用元:統計局ホームページ/III 変化する産業・職業構造 – 総務省統計局)
ご相談者と同じような悩みをお持ちの方も多いと思います。
Nohさん、モノづくりという産業の中で、「人間にしかできない仕事」というのはどんな商品やサービスのことなのでしょうか?
具体的にお話を聞かせていただけますか?
今やそれぞれの産業の土台となっている「時代のプレート」が大きく変わろうとしているタイミングなので、大きな観点で見ることで解決の糸口が見えてきますよ。
今まで私たちは「物質文明」を築いてきたと言うことができます。
人間の5感覚脳のフィルターを通過して、人間の体の感覚、体の経験、知識を土台にして、物事や事件(脳の認識の結果物)を観察する。
それを基準にして、用途・機能をDefine(規定)し、物や知識を生産・創意・イノベーションする文化スタイルでした。
ビッグデータによるディープラーニングで、AIの飛躍的進化を可能にしましたが、どんなに進化したとしても物質文明であることに変わりはありません。
Indsutry1.0 | 蒸気機関を動力とした機械で大量生産を可能に |
Indsutry2.0 | 電気を使って機械を動かす |
Indsutry3.0 | コンピュータによって自動化を実現 |
Indsutry4.0 | 産業社会、物質文明の最高峰であるAIが登場 |
そうすると、次はどのような文明を築いていくことになるのですか?
また、それを基準にして用途・機能をDefine(規定)し、エネルギーの方向性(人間の意思決定、感情)と知識を生産・創意・イノベーションすることで、新しい文化スタイルになっていきます。
物質文明では、ディープラーニングによってAIが飛躍的に進化しましたが、精神文明において人間が飛躍的な進化をしていくことは、Nohさんがおっしゃっている「人間のディープラーニング」と関係があるのでしょうか?
これによって、人間の飛躍的な進化が可能となり、精神文明を創ることができます。
今から精神文明の文化スタイルに変えていくことがとても重要ですね。
この中でも、反復する仕事であるモノづくりは、ほぼ100%AIが代行できるとみています。
これはショックなことかもしれないですが、遅かれ早かれそのようになっていくことは間違いないでしょう。(参考:マッキンゼー・グローバル・インスティチュートが発表したレポート『JOBS LOST, JOBS GAINED: WORKFORCE TRANSITIONS IN A TIME OF AUTOMATION』)
人間が行う仕事全体の67%がAIに代行されてしまうのに、このままずっと今と同じ仕事をやり続けていくと、雇用問題といった社会的な問題が起きてしまいます。
今からは、教育と社会を融合するメタ知識・メタ認識を学ぶ必要があります。
その道具になるのが“nTech(認識技術)”です。
新たな技術が未来の仕事になり、そして産業になっていきます。
これは言ってみれば、モノづくりから人づくりへの移行、つまりMade in JAPANからHeart of JAPANですね!
でも、日本人の繊細な心・おもてなしの心は、モノづくりだけではなく、人づくりにも通じる気質のように感じます。
しかも、nTechは、ここ日本から始まったものですしね。
Made in JAPANに代わる日本のブランドが、Heart of JAPANになるのですね!
なんだかワクワクしてきました!
私は日本の可能性、素晴らしさを知るきっかけをNohさんからいただきました。
多くの日本人がNohさんに会って本当の日本を知るきっかけを得て欲しいと思っています。
話を戻しますと、精神文明の文化スタイルに変えていくとおっしゃいましたが、具体的に何を変化していったらいいですか?
きっと、読者のみなさんはそこが知りたいと思います。
今までは、人間の5感覚脳の認識の結果、起こった現象(事件)に対して観察し、研究・認識することが仕事でした。
これからは、人間5感覚脳の認識の結果だけでなく、結果を生み出している原因や過程も含めた全体像を統察し、起こった現象(事件)の原因を研究・認識することを仕事に変えていく必要があります。
私たちはいつも結果や現象にフォーカスしやすいですが、その中でなんとか解決策を探しても、そもそもその“結果や現象を生み出す仕組み”を知らなければ、本当の原因は解らないですね。
もしかして…、原因や過程がはっきりするということは、nTechは問題解決のプロになれる技術ということではないですか?
この技術は、旧い固定された観点を「観点の天動説」から「観点の地動説」へと変化・移動・次元上昇させることができます。
つまり、方向性の大転換、パラダイムシフトを起こすことができる技術でもあります。これは今までの人類が経験した、どんな大転換よりも何100倍、何1000倍も大きな大転換です。
それを経験してしまう時代を私たちは生きているんですよ。
時代という大きな観点から、歴史的な大転換を迎えるに当たって、nTechが必要な技術であるということは理解できました。
とはいうものの、目の前の現実では、売上を上げるということがどうしても必要です。
nTechを学んで、人づくりですぐに売上を上げていくことはできるのでしょうか?
ただ、その一方で、いち早く精神文明の文化スタイルに移行することが大事なので、その道具として新しい技術を活用して欲しいですね。
もちろん、それを今までのお仕事の中に取り入れていくことも可能ですよ。
nTechを活用してまず取り組むべきことは、経営者自らが観点を変化、次元上昇させ、人間関係を豊かにしていくことです。
職場での社員との関係、社員とお客様の関係、取引先との関係など、今までの人間関係をより豊かにより深いものにし、信頼関係を築いていくことがとても重要です。
つまり会社で言えば、目に見えない人間関係の蓄積が、結果として目に見える売上や成果、結果を作り出すことにつながっているのです。
そして、それには人間力・人間関係力を高めていくことが大切というわけですね。
この技術をインストールしないと、人間の進化には限界があり、AIの知能に負けてしまいます。
今のお仕事を表の産業だとしたら、その裏側の産業として、同時にnTechに取り組み、マスターしていくことで、エネルギーの方向性(人間の意思決定、感情)、知識を生産、創意、イノベーションしていく新しい産業を切り拓いていくことができます。
今までの日本を支え、日本の産業をリードしてきた、モノづくりに携わる方たちだからこそ、目に見える仕事、目に見えない仕事を同時に取り組む「ダブルジョブ」という概念が当たり前となる社会になって欲しいと思います。
早いスピードで、時代をリードしていくイノベーター、パイオニア、ベンチャーとして、企業を次元上昇していく役割を担ってくださることを願っています。
Nohさん、今日はありがとうございました。
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みなさん、いかがでしたか?
時代のプレートが変わる大転換のタイミングで、向かう方向性に希望を感じていただけたでしょうか。
相談者の方への回答をまとめてみますと、
nTech(認識技術)を活用して、
1.経営者自らの旧い観点を変化、次元上昇をしていくこと
2.その変化を通して、人間関係を豊かにさせていくこと
3.目に見える仕事(表)と目に見えない仕事(裏)を同時に取り組む「ダブルジョブ」を取り入れること
私たちは目に見えることをすぐに変えようとしがちですが、目に見えない人と人との関係性の変化にアプローチするということが、これからのAI時代に必要な知恵だと感じました。
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