2019.08.04 令和哲学シリーズ

【令和哲学19】代替不可能、代身不可能な唯一無二の心 ~映画『アルキメデスの大戦」感想と解析(ネタバレあり)~

先日、7月26日公開の映画『アルキメデスの大戦』を観てきました。

「数学で戦争を止めようとした男の物語」というキャッチフレーズが気になり、nTechエヌテックを学んだ仲間たちと一緒に鑑賞&ディスカッションができたら…と声をかけてみたところ、急な呼びかけにも関わらず数時間で25人が集まってくれて楽しい時間になりました。

この『アルキメデスの大戦』は、恐るべき強さを持つ日本を生々しく認識させるものでした。日本は代替不可能、代身不可能な唯一無二の価値、つまり源泉的な動き「1」そのものと深くつながった文化文明を持つ国で、これは世界に類をみません。

日本が無意識深くに持っているこのプライドや誇りが映画の随所に感じられ、まさに英雄集団・日本のスペクタクルストーリーを認識するものでした。「我々日本民族はどんなに過酷な試練にも負けない不滅の集団である。そしてどんな戦いにおいても負けを知らない集団なのだ」と、この2つに対して揺るがない確信を持つ日本の深いメッセージを強烈にアピールしていることを感じました。

この先は内容の本質も露わにしていきます。映画のネタバレにもなりますので、映画をまだご覧になっていない方は、観てからお読みになることをお勧めします。

主人公は、若き天才数学者・櫂直という架空の人物。彼は巨大戦艦計画を阻止するために、巨大戦艦の造船費用の見積りが虚偽であることを見破るようミッションを受けます。そして造船見積りを精密に計算できる比例式を発見するのです。宇宙自然はすべて比例式で成り立っていますが、その本質を洞察できる素晴らしい数学的知恵を見事に発揮するのです。結果、実際の造船費用の50%以上も安い見積りであったことを暴き、巨大戦艦と別の船を抱き合わせて私腹を肥やそうと虚偽の見積りをだしたエゴの人間たちの不正取引を裁くというストーリーでした。

ですが、実はこの表(おもて)の論理を反転する“裏の論理”がこの映画にはあったのです。

というのも、この数学者が主人公かと思ったら違っていたからなのです。

日本民族の特徴を洞察、把握しながら、日本の生き残り戦略を考える平山忠道造船中将。この彼を中心とした裏ストーリーは、日本に対する深い信頼と愛情が溢れんばかりで、その論理展開には驚きと涙が溢れ、私はこの映画の美しさに完璧にやられました。

日本民族は「負けを知らない、負け方を知らない民族」です。仮に最後の1人になったとしても闘う粘り強さと頑固さをもつ日本民族が劇中でみて取れました。3000年間、他の民族に負け知らずのエネルギーが国家、民族、政権、天皇制を愛しているのだから、最後の1人になったとしても最後の最後まで戦う。降伏はあり得ない、生きたままで負けることはない。勝つか、絶滅するか、それが日本民族だ、というプライドがあるのです。

これはnTechエヌテックの解析からみても、日本は現実的に敗北を経験したことがないだけでなく、唯一無二の心、源泉的な動き「1」は負けない世界であるため、そことつながっている日本が負けを知らないのは当然のことなのです。

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しかし、どんな酷い環境でも絶望することなく、希望を失わないこのような粘り強さには、憂慮すべき点があります。

第2次世界大戦の終盤では、日本は残念ながら石油が枯渇しただけでなく、核爆弾まで投下する意志を持つ相手との闘いを強いられます。そこで平山造船中将は、“肉を切らせて骨を断つ”という連続2段階の「日本の設計図」を描くのです。これは侍の長い呼吸による精密な計算でした。つまり、いったんこの戦争を終わらせて負けたフリをして、その先に日本民族を残し、次に相手の骨を断つタイミングをみようという「肉を切らせて骨を断つ侍勝負を設計した人」だったのです。

平山造船中将は、「日本民族は決して希望を放棄しないから、その日本の集団エネルギーを収めて負けを受け入れ、次の機会を願う日本をつくろう」と設計しました。その道具として、日本のシンボルとなる世界最大の巨大戦艦を計画するのです。しかも名前も『大和』と命名します。その日本のシンボル「戦艦大和」が爆撃され、破壊され、海底に沈んだことを日本民族が確認したらどうなるのか?そのときはじめて負けを認め、絶望を受け入れ、逆に次の可能性をみるようになるだろうとみたのです。

耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、長い呼吸で時を待つ勝負、肉を切らせて骨を断つ、連続2段階の日本独特の粘り勝負を設計した人の物語。

平山造船中将は、源泉的な動き「1」とつながった粘り強い日本の勝負感覚の持ち主でした。いったんは負けたフリをして、次のタイミングとチャンスを待つという強烈な日本の恐るべき強さ。中外ひっくり反転させ、表裏の両方を自由自在に日常で語る日本文明は、物質文明から精神文明に反転させる英雄集団になることは間違いありません。

この強い日本は、令和の幟が立った今こそタイミングです。一気に目覚め、世界を今「1」の令和状態、つまり戦争不可能状態にしていくのです。その英雄集団・日本の目覚めに、nTechエヌテックの「今ここ完全観察システム」が貢献できたら幸いです。