これまで人類は組織をつくりながら、集団でチームプレーすることによって、時代の舵を切り歴史を進化発展させてきました。
しかし今を生きる現代人にとって、現在の組織の在り方は本当に人々を幸せに導くことができるのでしょうか。
組織内のパワーゲームや内部抗争、目先の利益に追われる中で、やる気や情熱を持って働いている人がどれくらいいるでしょうか。
そして、本来人間が求めている組織とはどんな組織でしょうか。
その問いに対する答えを見つけるためにも、人間の意識の変化とこれまでの組織の変移を書籍『ティール組織』になぞってみていきたいと思います。
>前回までのお話
新しい資本主義エンジンモデルを作ることができる ディグニティ ティール組織(Dignity Teal組織) とは?
服従で支配・統制されています。
衝動型組織にとって最も重要なのは「今」です。
衝動型
から順応型
に変わると、個人が自らを律し自己抑制ができるようになってきます。
順応型組織ではヒエラルキー(ピラミッド型の階層組織)を発明することで、上意下達方式の命令系統が確立し、規模を拡大できる安定した組織構造をつくれるようになりました。
イノベーションは求められていません。衝動型組織は極めて短期志向で数日後や数週間後まで成果を待つことができないのに対し、
順応型組織では例えば完成までに200年もかかる大聖堂の建築など長期プロジェクトにも取り組めるようになります。
達成型組織の特徴を一言で言えば、「実力主義」です。
達成型
パラダイムの土台で成り立っています。固定した役割にとどまっている順応型組織に対し、達成型組織には誰もが組織階層の階段を登る権利があります。
インセンティブ等の報酬が与えられます。
イノベーションを起こし、イノベーションの競争によって人類の発展と繁栄をもたらすことに成功しました。しかし、達成型組織では次第に目標達成に追われ仕事の意味が不明瞭になったり、機械の歯車のような扱いに空虚感を見いだすことになったりします。
順応型や達成型組織がトップダウンだったのに対して、多元型組織はボトムアップです。
達成型組織が機械のように人を扱うのに対して、多元型組織は従業員を家族のように扱い、「みんなが一緒」「お互いに助け合う」といった人間的な価値観を大切にしています。
多元型組織は良好な人間関係を築くには適していますが、共有価値を大切にするあまり、イノベーションや意思決定の速度が遅く、異端児が生まれにくい傾向があります。
固執していました。しかし様々な情報や技術が氾濫している現代では、一つの世界観に留まるのではなく、人間の意識自体の変革が求められています。
その意識変革が起きた人達が集まった組織モデルが進化型組織です。
ティール組織では、組織を「生命体」としてとらえ、生命が成長を成し遂げるのと同じように、組織自身が高い意識に向けて常に進化、成長し続けているのが特徴です。
また、ティール組織には3つの突破口(ブレイクスルー)があります。
(1)自主経営(セルフマネジメント)
これまでの組織の意思決定の仕方は、トップや上司、役職を持った人が決める、または会議にて決定するのどちらかでした。
しかし、ティール組織では階層やコンセンサス(複数の人の合意や意見の一致)に頼ることなく、仲間との関係性の中で一人ひとりが自由に意思決定することが可能になってきます。
(2)全体性(ホールネス)
「仕事」としての顔だけではなく、感情や直観、スピリチュアリルティなど精神的なものも含め、ありのままの自分をさらけ出してつながる関係性を大切にします。
また、自分に向きあう程、自分が大いなるものの一部であることも分かるようになってきます。
利益を追求する為の組織ではなく、今の時代や世の中に何が必要なのかを問い続けることで、自然と組織の方向性が見えてくるようになるのです。
また、組織がどのような目的を達成したいかに耳を傾けることで、自然と利益も得ることができるようになります。
これをnTechで解析すれば、現代は「量子力学的な世界観」であると言えます。
これは、わたしたちが日常で慣れ親しんでいる世界、つまり“存在が固定してそこにある”と思っているニュートンやデカルトの世界観とは異なるものです。
ですから商品自体のライフサイクルがとても短く、商品が生まれてもすぐに死んでしまう状態です。
流動性、揮発性(蒸発して消えてしまう)が高い、そんな消費社会です。
ですからいつも不安であり、コロコロ変化する流動性のある時代ともいえるでしょう。
簡単に消滅してしまう、この状況は人間も同じです。
この最終段階では消費過剰、浪費があたりまえで、消費者は商品を簡単に買っては簡単に廃棄処分してしまいます。
ほんの一瞬間だけで(瞬間だけの拘束力)、拘束力を持続することができない時代なのです。
このようなライフスタイルが繰り返されることによって、人々にどのような影響を与えるでしょうか?
使い捨てが当たり前となってしまった時代では、ひとつの商品やモノを大事に長く使うというより効率よくいかに使い回すのかという思考が当たり前になり、目に見える結果を重視するようになります。
このことが商品やモノだけではなく、あらゆるものに影響してくるでしょう。
人間関係や組織に関していえば、忠誠心、義理人情、信義(真意)、尊敬、関係構築は長く続きません。それらはいずれも期間限定です。
なぜなら現代人は、人間個人や効率性に対するジャッジが厳しい状態だからです。
このため組織は、チームを役割、用途、機能によって権力、権限、権能、権力意思で統制するしかないのです。
これを量子力学的な世界で説明すれば、「束縛が限界の状態」だといえます。
ですから組織を成り立たせることが難しく、組織のメンバーはすぐやめてしまうか、逃げてしまうのです。
「階層・役職・組織図はなく自主経営(セルフマネジメント)。エゴを超えた全体性でつながり常に進化し続ける。メンバー全員の能力が存分に発揮され強い結果を出せる。」
というようなことが、書籍『ティール組織』で語られていますね。
リーダーも個人を長く集団に引っ張りきれないのです。すぐに辞めてしまうし、鬱にもなる。
なぜなら“体の個人”を選択したら、「長く束縛されたくない」状態になってしまうため無理なのです。
nTechで解析すれば、現代はあらゆるものがコロコロと変わってしまう時代ですから、“永遠に変わらない動き”から出発しないと、すべての対応が困難な時代になっているといえます。
ですからコロコロと変わるものではない「1」を明確にディファイン(規定)し、心をスッキリさせることが求められてきます。
それができる教育プログラムを持たない限り、現代は組織自体が成り立ちません。
もはや、コンテンツやお金で組織をつくる時代ではないのです。
【参考】グーグル社員”いい会社だから辞める”理屈
グーグルの内情をネタに、同社エンジニアがマンガを出版|BUSINESS INSIDER
量子力学的な世界観では、相手にはモチベーションの源泉(根元)があるという大前提を持っている人が多いのです。
ですからその自分に、モチベーションの源泉(根元)である「主体性」を、自分自身が持っているのだということをまず認識させないといけません。
このプロセスを通して、ティール組織に変わることができます。
しかし、楽しむことにも絶対に限界があります。
ですからプロジェクトを次々選択できるようにする必要があるのです。
それによって
1.新しいショック
2.新しい場
3.新しいチーム
4.新しい同僚
5.新しいポジション
6.新しい権力
と出会うことができるのです!
現代は、信頼をつくろうと一緒に食事をしてお酒を酌み交わしても、効力がそう長くは続かない時代なのです。量子力学的な世界では、そんな多元型の方法では無理です。
改めて、プロセスを整理すると
(1)明確な教育で人づくりを行った土台の上で(製造技術、応用で運転技術)
(2)既存に全くない組織システムを通じ
(3)プロジェクトの中で、‟意思決定構造”をマスターさせていくことができます
これは、日本のみなさまと共に23年間の研究開発によって体系化、技術化したnTechだから言い切れることなのです。
組織の目的によってプロジェクトが立ち上がるのです。
そして多くのメンバーが、次のプロジェクトを選択するようにする。
例えば3ヶ月の期間を決めて開始し、終了したら別のプロジェクトを各々また開始する。
ところで、最近「私はティール組織で働いています」という方に出会うことも増えてきました。
組織的ファシリテーションや役割変動等いろいろ工夫はされているようですが、現時点ではまだ多元型組織に近い状態が多いのではないでしょうか。
多くの方がこの新しい組織であるティール組織を求めていますが、到達するにはなかなか難しいようです。
話せば話すほど、どの方からもとても真摯な姿勢を感じています。
本当の意味のティール組織に到達するには何が必要でしょうか?
境界線のない世界から、境界線のある世界がどのように生まれるのか。
それを知ることが知恵であり、そこにどのような仕組みがあるのかを理解することがKeyになります。
エゴを超えて境界線のない‟全体性とひとつになっていける”というようなことが、書籍『ティール組織』で語られています。
そして教育コンテンツがあるかないか。
わからないままで分からないままで作ろうとするから頭が痛いでしょう?
最後まとめていただけますか?
衝動型組織でしょうか?
それとも達成型組織や多元型組織?
あなた自身は、何を願っていますか?
今、日本の国家組織はどの段階でしょうか?
多元型組織?ティール組織?
あなたの家族は?
あなたの会社は?
あなたの判断体系は?
多元型組織ですか?
ティール組織ですか?
あなたが願っている住みたいところはどこでしょうか?
あなたが選択するその組織を、どうつくりますか?
これらの質問に明確な答えとプロセスを提供し、ディグニティ ティール組織の作り方、それを案内できるのがnTech(認識技術)です。
私は日本の若者とともに23年間を通じてこのテクノロジーを体系化し、2018年にその技術を完成いたしました。
そのテクノロジーからティール組織を解析した時、2019年 日本はティール組織をつくる準備がかなり整っていると、私は確信しています。
みなさまと共にティール組織をつくっていけたら本当に幸いです。
その願いへの第一歩として、トークライブを開催することになりました(2018年12月11日(火)19時から東京渋谷にて)。詳細はこちらになります。
みなさまとお会いできるのを楽しみにしております。
次回もお楽しみに!
(ライター:一龍飛、鈴木久美子)