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こんにちは、Noh Jesuオフィシャルブログ編集部です。
シリーズでお届けしておりますDignity Teal組織も、今回で3︎回目になります。
今回は、「最近流行のティール組織は、今までの組織に対してどのような問題を訴えているのか?」というテーマで、お話をうかがいたいと思います。
前回は、組織の本質についてお聞きしましたが、今回は組織とは何なのか? 組織の定義を明確にするところから始めたいと思います。
そもそも組織とは何なのか?と言った時に、色々な角度から定義することができるのですが、ここでは、
「組織の存在意味・存在目的とは、自然環境や時代の環境、状況を自由自在に統制することで、人々の結束力(組織力)を高め、生産性を増大させ、組織中心の利益も増大させて、幸せ、成功した個人を量産すること」
と定義したいと思います。
では、組織の定義が分かったところで、前回、衝動型組織から多元型組織まで変化してきた組織形態の流れの中には、過去の組織に対しての 「No!」が潜んでいるという話がありましたが、その辺りを書籍『ティール組織』の内容も踏まえて、もう少し詳しく聞かせてもらえますか?
分業は極端に少なく、長老が部族の中で一定の指導力を発揮します。
人間は、一人ひとりの判断基準・観点がバラバラですが、この段階ではまだ明確な意志を持ったリーダーがいないために、秩序をつくれず、結束力も低く、それがカオスの原因となります。
この段階までは、まだ「組織」ではなく、自然発生的な「集団」の状態ですね。
衝動型組織はリーダーが力によって全てを統制し、恐怖によって支配します。
しかし、圧倒的な力を持つカリスマリーダーに依存した組織であるため、統制できる規模に限界があります。
また、目の前の利益を得ることを重視するため、短期的でただ自然環境に従う受動的な生き方しかできません。
そこで生まれてくるのが順応型組織です。
順応型組織は強固なピラミッド型組織であり、一人のカリスマリーダーではなく、幹部集団がリーダーシップをとるため、意思決定の判断基準が向上し、組織全体の生産性が上がります。
しかしその一方で、決められた階層や上下関係から自由になることができず、強烈な格差や不平等を引き起こしてしまいます。
しかし達成型組織はトップダウンのため、一人ひとりのクリエイティブ能力を引き出すことができず、また仕事の究極の目的であるチームプレイの強化ができません。
ボトムアップ型の意思決定を行うため、従業員のモチベーションを高めることはできますが、意思決定が遅くなる、イノベーションのアイデアが生まれにくい、そして異端児が生まれにくいというデメリットがあります。
そもそもNohさんは今の時代について、どのように観ているのでしょうか?
(1)モデルなきAI時代
人間代行者としてIQ10000にも及んで行く AI(人工知能)の台頭により、今までの人間の知能、判断レベルでは AIを活用し共存していくことが難しい。
今まで人類が経験したことのない時代に突入するため、今までの生き方モデルや多元型組織モデルが通用しない。
参考:AI時代を楽しめる!知識生産を劇的に変える“人間のディープラーニング”
(2)量子力学的な世界観の時代
量子力学の視点で物事を見れば、安定した存在というものはなく、波動もできたり粒子もできたりコロコロと変化してしまう。(参考:『量子力学的世界像』(朝永 振一郎著))
その世界観が前提になれば、商品のライフサイクルも、人間関係も流動するのが当たり前なので、組織を成り立たせること自体が難しい。
(3)個人のエゴ大爆発時代
個人主義と組織嫌いが蔓延し、「自分がやりたいことをやる」ことが重要視される時代。
エゴからくる「No!」が働く。
(4)共通土台創建の問題が解決されていない
人間共通の観点の問題が解決されていないため、お互いの共通土台を持つことができない。
多元型組織では、一緒に食事をしたりお酒を飲んだりして交流を深めることで共通土台をつくれると思ってきたが、それでは共通土台をつくれない。
(5)観点の時代
一人ひとり観点や判断基準がバラバラなので、人とコミュニケーションをとればとるほど摩擦・衝突が生まれ、ストレス・プレッシャーが増大し、逆に心の距離は遠くなってしまう。
(6)高さのエンジンが通用しない時代
足りないものを得ることで幸せになろうとする成就動機からくる“高さを求めるエンジン”ではモチベーションが続かない。
正確な問題意識からくる深さのエンジンが必要。
(7)共通の意思決定構造5つのstepが、グローバルスタンダード化されていない
一人ひとりの意思決定構造がバラバラなので、組織の意思決定のスピードが遅く、また全員が納得する決定ができない。
(8)我慢によるチームプレイを越えられない
観点がバラバラで共通土台がないと、結果的に多元型組織でさえ、個人が我慢することによる秩序のつくり方になってしまう。
(9)尊厳意志、自己実現意志の爆発渇望時代
一人ひとりが、無境界線、無方向性の尊厳権力を持ち、自由自在に自分の宇宙(PU:Personal Universe)を創造して生きたいという意志にあふれている。
(10)エゴ強化による、収益性・生産能力の低下
自分のエゴを優先することによって組織離れが起き、生産性・収益性が増大しない。
『ティール組織』の本の中では、第3章 進化型(ティール)では、
「いずれにせよ、研究者たちは、多元型から進化型への移行が人の進化において極めて重要だという点で見解が一致している。~~~中略~~~~衝動型、順応型、達成型、多元型にいる人々は、自分たちの世界観だけに価値があり、他の人々は取り返しがつかないほどに間違っていると考える。進化型(ティール)パラダイムに移行して初めて、意識は進化する~~~~」(P73)
「私たちが自分自身のエゴから自らを切り離せるようになると、進化型(ティール)への移行が起こる」(P74)
とありますが、
どうしたら人間は進化型パラダイムへ移行できるのでしょうか?
また、エゴから自らを切り離せるようになるためには、どうしたらいいのでしょうか?
1つ目は、今までの組織を構成している人間自体が、根源的に「部分観である人間の脳の観点に、観点固定している」ということです。
この状態では全体を認識できないため、自分たちの世界観だけに価値があると考えてしまうのも無理はありませんし、そもそも人間とは何なのか?仕事とは何なのか?ということ自体がわからないため、日常が不安、不信、不平、不満、不幸になってしまうのです。
またこれが、自分自身をエゴから切り離せない根本的な原因であり、ティール組織の3つの特徴のうちの一つである、「全体性の発揮」を妨げている要因とも言えます。
そして、2つ目は、人間の観点に固定した上で、さらに「リーダーの観点にも観点が固定している」ということです。
組織自体がフラットな意思決定構造を持っていないから、リーダーへの依存も生まれてしまいます。
このように、今までのすべての組織、その組織を構成する一人ひとりは、「観点固定」という限界を抱えてきました。
これをnTech(認識技術)では「観点の問題」と言っていて、人間が解決しなければならない、根源的な問題だとお伝えしています。
そして、「事物」で見る 今までの認識から、「事件」を観る認識へ。「存在」で見る認識から、「関係」を観る認識へ上昇させることで、どんな観点にも、どんなアイデンティティにも固定されない「関係主義」が可能になり、Win-Win All-Winのクリエイティブな関係性のシナジーを生み出すことができるのです。
このように、ティール組織を具現化するためには、認識の次元上昇を通した新しい共通土台の創り方 が必要なのですね。
nTechの内容に関しては今日は詳しくお聞きできませんが、関心ある方はぜひこちらに参加してみてください。
ではNohさんから最後に一言、お願いします。
ディグニティ ティール組織創建ムーブメントを通して、みなさんと一緒に、希望あふれる日本と世界を創っていきたいと心から思っています。
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本日も、お読みくださりありがとうございました。
現在、ディグニティ ティール組織(Dignity Teal組織)に関するイベントも全国で開催予定だそうですので、興味のある方はぜひ覗いてみてください。
(ライター:牧野祐子)