こんにちは、Noh Jesuオフィシャルブログ編集部です。
シリーズでお届けしておりますディグニティ ティール組織(Dignity Teal組織)も、今回で4回目になります。
前回のテーマは「最近流行のティール組織は、今までの組織に対してどんな問題を訴えているのか?」でした。
今回は、「今のこの時代に「ティール組織」がブームになっている理由とは何なのか?」をテーマにお話しをうかがっていきます。
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- 編集部
- Nohさん、こんにちは!今日もよろしくお願いします。
ディグニティ ティール組織もシリーズ4回目になりました。
今回は「今のこの時代に「ティール組織」がブームになっている理由とは何なのか?」をテーマにお話をうかがいたいと思います。
まず、今の時代はどのような時代なのでしょうか?
- Noh
- よろしくお願いします。
前回は今の時代を10項目で整理しましたが、今回は個人主義が終焉する時代として考えてみましょう。
個人主義の限界は組織体制の限界による生産性・収益性の限界
- 編集部
- 個人主義の終焉ですか。
個人主義の限界を一言でいうと何なのでしょうか?
- Noh
- 個人主義の限界の本質は、組織体制の限界からくる生産性・収益性の限界です。
- 編集部
- 組織体制の限界ですか?
- Noh
- そうです。
まず、個人主義プレートが生まれた背景には全体主義プレートがあります。
シリーズ3でもお話しましたが、厳しい自然の中で人間は一人で生きることができません。
お互いに助け合う集団が生き残るのです。
- 編集部
- そこから意志をもったリーダーが誕生し、集団から組織へと変わっていくのですよね。
- Noh
- そうです。
リーダーが登場することで秩序が生まれ、結束力を高めることができます。
しかし集団を構成する一人ひとりの観点は違いますから、その観点の違いから生じる摩擦・衝突・ストレス・プレッシャーをどのように解決すればよいのかが組織の課題でもありました。
- 編集部
- 全体主義の時代はその課題をどのように解決していたのでしょうか?
- Noh
- 全体主義の時代の中心の概念は「神」です。
人間とは何なのか?何のためにどのように生きればよいのか?宇宙自然とは何なのか?など、あらゆる考えを「神」という概念を使って整理していました。
宇宙森羅万象を創造した神から選ばれた存在が王や組織のリーダーだったのです。
- 編集部
- 王や組織のリーダーを「神から選ばれたもの」と位置づけていたのですか。それは絶対的な権力を発揮しそうですね。
参考:Lean and Agile Adoption with the Laloux Culture Model
- Noh
- 人間が集団をつくり自然や動物と戦っていた時代から、人間と人間(集団と集団、組織と組織)の戦いに発展していきました。
戦いに負ければ男性は皆殺され、女性や子供たちは奴隷にされます。
それまで蓄積した食べ物や物資もすべて奪われてしまいます。
ですから、隣の集団や組織に負けないように神という概念を使って秩序をつくり、結束力を高め勝てる組織をつくろうとしました。
- 編集部
- 「神が選択した王」ですね。
確かに王ひとりだけ の観点を絶対的な基準にすれば集団が団結しやすそうに見えます。
でも一人ひとりの観点は違うわけですから、反発やトラブルは起きなかったのでしょうか?
- Noh
- 現代から見れば、そう思いますよね。
しかし当時は個人という概念はそこまで強くなかったのです。王の支配する土地に生まれるものは、山も川も植物も動物も光さえすべて王の所有物だったのです。
当然そこに生まれる人間も王の所有物ですから、王の意にそぐわない引越しや結婚の自由もありませんでした。
- 編集部
- 今の時代の感覚とはまったく違うのですね。
- Noh
- そうです。
神や王を中心としたパラダイムですから、王の判断を中心に考えることが自然だったのです。
そこから十字軍の遠征によりイスラム文化がヨーロッパに伝わりました。
- 編集部
- 以前、イスラム帝国の学問と技術の発展について聞いたことがあります。
当時のイスラム世界には医学や哲学など古代ギリシャの学問が受け継がれたほかに、化学や天文学、数学が発展していたそうですね。中国からは紙の製法や羅針盤・火薬などの技術がもたらされたと聞きました。
これらの進んだ学問や技術が十字軍の遠征をきっかけに、イスラム世界からヨーロッパに伝わったのですね。
- Noh
- そうです。
ルネサンスがおきて天文学や地理学などの科学の発達によりコペルニクスやガリレイによって地動説が唱えられました。
宇宙森羅万象を司るものは「神」という概念 から「力」という概念に変わり、それまで当然のように思っていた観点が疑われるようになりました。
また十字軍遠征に参加した人たちが農民に戻らず商人として王の周りに住むようになり、王の実態を目の当たりにするようになることで、「同じ人間なのに何でこんなに格差があるのか」と不満を持つようになりました。
- 編集部
- フランス市民革命ですね。
- Noh
- そうです。ニーチェの「神は死んだ」という有名な言葉がありますが、パラダイムの大きな転換がおこり、それまでの神や王、リーダーを中心とした組織のまとめ方では限界を迎えました。
全体主義プレートに対する反発から生まれたのが自由主義・民主主義・個人主義・資本主義・社会主義による個人主義のプレートなのです。
参考:プリマヴェーラ (サンドロ・ボッティチェリ画/ウフィツィ美術館蔵) (c)Public Domain
資本主義の中でつくられる組織の限界
- 編集部
- 全体主義プレート、個人主義プレートの中で組織はどのように変化してきたのでしょうか?
- Noh
- おさらいも兼ねて組織の進化を見てみましょう。
まず全体主義プレートの中に生まれた組織はレッド(衝動型)組織です。
レッド組織はカリスマリーダーが力によってすべてを統制し、恐怖によって支配します。
統制できる規模に限界があり、目の前の利益を重視するため、短期的でただ自然環境に従う受動的な組織です。
参考:Lean and Agile Adoption with the Laloux Culture Model
- その後「農業革命」が起こると、計画的で中長期的なプロジェクトに対応できるアンバー(順応型)組織が誕生します。
アンバー組織は強固なピラミッド型組織であり、一人ではなく幹部集団がリーダーシップをとるため、意思決定の判断基準が向上し、組織全体の生産性が高まります。
しかし決められた階層や上下関係から自由になることができません。
参考:Lean and Agile Adoption with the Laloux Culture Model
- 編集部
- 社会の変化と共に組織が進化していくのですね。
- Noh
- はい。
個人主義プレートに登場したオレンジ達成型組織は「実力主義」で、成果や実績を中心にしたピラミッド型組織です。成果次第で上に登れる可能性を秘めていますが、組織の目的が成果や実績になれば個人主義が強化され仕事の究極の目的であるチームプレーの進化がおきにくくなります。
参考:Lean and Agile Adoption with the Laloux Culture Model
- 編集部
- 組織の目的が成果や実績であれば、それ以外の人間性は職場では必要とされないし、仕事の顔とプライベートの顔があるのが当たり前になりますね。
「成果=お金」が基準になれば、協力というよりは競争の相手になります。
そんな状態が続けば何のために働くのかよく分からなくなって当然だと思います。
- Noh
- はい、その問題を解決するために生まれるのが家族のようなグリーン(多元型)組織ですが、ボトムアップ型の意思決定のため意思決定のスピードが遅く、イノベーションが起こりにくいというジレンマが起こります。
参考:Lean and Agile Adoption with the Laloux Culture Model
生産性の問題は団結力の問題
- 編集部
- こうしてみると今まで人類は持続可能で発展的な組織体制をつくれなかったのですね。
- Noh
- そうです。全体主義プレートでも個人主義プレートでも組織体制の限界をこえることができず、継続的な生産性・収益性の進化モデルをつくることができなかったのです。
- 編集部
- どうすれば継続的に生産性・収益生をあげることができるのでしょうか?
- Noh
- 生産性の問題は結束力・団結力・チームプレーの問題です。
体だけが自分だと思い込んで個人を基準に社会活動を行う個人主義は、共通土台ゼロの状態です。
- 編集部
- 共通土台がなければ、それぞれが使命感をもって取り組んだとしても、頑張れば頑張るほど複雑な境界線が生まれ、摩擦や衝突が起こって、抵抗値が高くなりそうですね。
- Noh
- 共通土台がゼロの状態では個人と個人のシナジー効果が生まれないため、その個人の範囲でしか生産性をあげることができません。
生産性が上がらなければ収益性もあがりませんし、経済も活性化されません。
- 編集部
- 共通土台ができることでシナジー効果が生まれるのですね。
- Noh
- 部分的な共通土台ではなく共通土台を無限大化させる技術がnTechです。
スクリーンの中の部分の循環ではなく、スクリーンが生まれる前の完全循環からスクリーン全体の循環と部分の循環を観察できるようになれば、生き方が変わります。
既成権力・対抗権力の争いが尊厳権力・本質権力の意志に変わることで、生き方の戦略が変わることになり、平和な世界の創建にも貢献しながら戦いのゲームから愛のゲームに歴史のパラダイムの大転換がおこります。
(スクリーン原理についてはこちらの記事をご覧ください)
https://blog.noh-jesu.com/entry/2018/04/22
- 編集部
- 認識が変われば生き方が変わり、歴史のパラダイムまで変化するのですね。
- Noh
- nTechが提唱する共通土台は、正確な問題意識の悟り、物理学の悟り、心(オリジナルマインド)の悟り、関係性・実践行動の悟り、組織の悟り、GI(グループ インテリジェンス)創建によって完成します。
- 編集部
- スクリーンの外に出てスクリーンの仕組みを分かってしまう本質的な共通土台だけではなく、スクリーンの内に入って現実的な共通土台であるGI創建までできれば、これまでの歴史上にない新しい組織モデルの誕生ですね!
(GIについてはこちらの記事をご覧ください)
http://www.nr-japan.co.jp/ntech/index.html
精神セルでつくられる美しい組織=GI(Group Intelligence)とは
消費幸福時代から生産幸福時代へ
- Noh
- 今は資本主義の時代ですが、お金で人や組織を動かす時代は終わります。
- 編集部
- はい。実際に正社員にはなりたくないという若者や、お金をもらってもその仕事はしたくないビジネスマンや経営者の声をよく聞きます。
- Noh
- 時代は消費幸福時代から、生産幸福時代へと変わっています。
これまでの生産は、環境汚染や全体性・主体性・自発性・能動性・尊厳性などの人間性の破壊をしながら生産するので、本物の生産ではありません。
- 編集部
- 確かに。
私たち先進国の生活は豊かになり「これは絶対に欲しい!」というものもなかなか見つかりません。
消費よりも生産することの方が新しい楽しみや喜びがありそうです。
でもAIを搭載したスマートロボットが活躍する時代に、意味価値ある生産ができる自信やアイディアがある人は少ないのではないでしょうか?
- Noh
- これからの時代は物商品の生産はAIに淘汰されます。
AI時代に必要とされる生産は新しい知識の生産です。
- 編集部
- もっとハードルが高そうです!
誰もが新しい知識の生産ができるようになるのでしょうか?
新しい知識の生産ができるようになるには、どうしたらよいのですか?
- Noh
- そうですね。ポイントは生産と消費の本質です。
生産の本質は「質問を投げることができること」
消費の本質は「答えること」です。
質問を投げることができれば、そこから新しい知識・技術・価値・感動が生まれます。
- 編集部
- 質問ですか。
しかし、どんな質問でも良いわけではないですよね?
- Noh
- はい。
あるジャンル・マーケットの一番深い限界、共通の問題に対する質問ができれば、その答えを見つけ実践することができます。
その実践からまた次元が違う質問が生まれ答えを見つけて、新しい知識が生産されていきます。
- 編集部
- 西洋と東洋を比べてみると、新しい知識や技術はいつも西洋から生まれ、どんどんイノベーションを起こしているように思います。
東洋と西洋の格差の本質は質問の投げ方にあるのでしょうか?
- Noh
- はい。東洋も西洋も人間の脳の観点のVRメガネを外すことができていないので事件の基本単位を分かっていません。
VRメガネの中にいるので入口と出口、アルファとオメガが分からない、絡まった糸の糸口とその終わりが分からないため、正確な質問を持つことができません。
アルファとオメガを探すために絡まった糸を解こうとしているのが東洋の悟りの世界です。
一方、西洋は絡まった糸をハサミで切るように分けて分析することで事件の基本単位を探すため、VRメガネの中でもアルファとオメガが生まれ質問できるようになるのです。
- 編集部
- 西洋は質問を生み出すことで 次々と新しい知識や技術を生み出してきたのですね。
- Noh
- はい。しかしVRメガネを外すことはできていないので明確な事件の基本単位がわからないため西洋の理解方式も限界を迎えています。
VRメガネを外して心・エネルギー・物質を成り立たせている源泉的動きの仕組み、完全循環・全体循環・部分循環の動きがわかることで事件の基本単位がわかり、原因と過程と結果を同時に見ることができる完全観察が可能になるのです。
- 編集部
- nTechを活用してVRメガネを外せば、あらゆる存在、あらゆる変化に対してどんどん質問を投げかけることができそうですね!
- Noh
- その質問が新しい知識生産・新しい感動・新しい価値の生産につながるのです。
完全循環と全体循環がわからず、部分の循環だけを認識する脳の観点に固定されたままでは新しい知識生産ができません。
生産ができなければ消費する側になってしまうのです。
一人ひとりが完全観察できるようになれば、脳の観点に固定された物質文明を卒業して、精神文明へと文明のプレートが変わるのです。
- 編集部
- それはすごいですね!
- Noh
- AIには真似できない仕事、人間にしかできない知識生産ができるようになる技術がnTechです。
質問に答えることを繰り返してきた認識次元を卒業して、自ら質問を出せる認識次元に変化することで、新しい知識を生産できるようになるのです。
今までの体感覚や記憶に依存した因果の世界、因果論理に依存したすべての学問知識はAIが人間を超えてしまいます。
因果論理を成り立たせるエネルギーの重畳原理、そしてエネルギーの重畳原理を成り立たせる心(オリジナルマインド)の源泉的動き、すなわち世界の根源・宇宙の根源・永久エンジンとつながった新しい知識生産方式、新しい感動創出方式こそ、AIが真似できない人間だけができる唯一無二の悟りの世界です。
- 編集部
- この世界の根源・宇宙の根源を知ることで持続的な質問が可能になるのですね。
- Noh
- 終わりなく持続的に質問を生産できることがAIには真似できない、人間最高の機能の発揮であり、これこそ人間の尊厳機能だと言えるのです。
これまでの組織体制の限界を補うディグニティ ティール組織とは?
- 編集部
- どうすればこれまでの組織体制の限界を超えられるのでしょうか?
- Noh
- これまでの組織体制の限界の根本原因は「観点の問題」を解決できていない ことにあります。
それぞれの観点に固定された状態では部分観認識から抜けられず、 自分の知っている世界から自由になることができないため、共通土台を持つことは不可能です。
その状態で無理やり暴力や財力などの力によって組織を統制しようとしても、エントロピーが増大して必ず破綻してしまいます。
ですから観点の問題を解決できる人財を育成する教育プログラムが必要ですし、組織自体が観点の問題を解決して共通土台無限大でチームプレーを実践する場に変わる必要があります。
- 編集部
- nTechはまさしく観点の問題を解決する新しい教育ですね。
そんな教育プログラムと組織の風土があれば、我慢をしてお給料をもらうための職場が、やればやるほど疎通交流が生まれ、意思決定構造が進化し、みんなでどんどん新しいチャレンジができるクリエイティブの場に変わりそうです。
- Noh
- 一人ではできない仕事をできるのが組織の醍醐味です。
- 編集部
- 一人ではできない創造をどんどん生み出し、世の中に貢献できるようになれば、その組織に所属するのが楽しくてたまらないかもしれません。
組織のイメージが変わりますね!
Nohさん、今日は貴重なお話をありがとうございました。
今回は「 今のこの時代に『ティール組織』がブームになっている理由とは何なのか?」をテーマにお話をうかがいました。
最後にまとめのコメントをお願いします。
- Noh
- はい。個人主義が限界を迎えている今の時代は孤独や疎外感を感じる人が増えています。
観点の問題が解決できない状態で観点の中にはまり、傷だらけになりながら人間関係やチームプレーに挫折や諦めを感じている人は多くいます。
個人と組織のジレンマを克服した「ディグニティ ティール組織」はまさに、今の時代を生きる人たちを孤独や疎外感から解放し、人間最高の機能を発揮しながらチームプレーを存分に楽しむための共通土台なのです。
脳の観点に閉ざされた観点の地獄から解放され、一人ひとりが尊厳あふれる社会になることを心から願っています。
- 編集部
- 誰もが生きることが幸せで楽しくてたまらないと感じられる時代になるといいですね。
今日はありがとうございました!
次回も楽しみにしています!
(ライター:塩見典子)
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