現在、日本の初等・中等における教育課程は、文部科学省が告示する「学習指導要領」が基準になっています。
2017年3月に告示された「新学習指導要領」では、教育の大きな変革が実施されることについて、日本でも話題となりましたね。
今回は、Nohさんに「これからの時代に必要な教育とは?」というテーマで、学校教育の課題や教育の未来についてお話をうかがいたいと思います。
早速ですが、Nohさんは今の日本の学校教育について、率直にどのような感想をお持ちでしょうか。
日本だけでなくどの国でも、今の学校教育は混乱しているのではないでしょうか。
特に、世界各国でも議論されている「人間よりも高い知性を持ったAI(人工知能)の登場で予測される未来において、人間が必要とする能力とは何なのか」といったテーマは、解決策が見えずに混沌としている状況だと思います。
また、日本では昔と比べ、子どもにとって学校という場所が、憧れを失ってきている状況もあると思います。
なぜ、このように学校に対する憧れが失われてしまったのでしょうか。
これから、学校が魅力的な場所になっていくにはどうしたらよいのでしょうか。
子どもたちにこの質問をされたらどう答えますか?
…うーん、すぐに答えを出すことは難しいです。
人間をより人間らしく形成し、美しい社会集団にしていくために重要なものが、学問(Input方式)と教育(Output方式)であり、それらを提供する場所が学校ということになります。
例えば『光はどこから生まれるのだろう?どんな仕組みでどこに向かっているのだろう?』など、自ら質問する能力があれば、もっと知りたい、もっと学びたいという好奇心やモチベーションが生まれ、主体的にInputが持続していきます。
さらに、そこで気づいたことを、みんなに無限大発信し教えていきたい、というOutputのモチベーションにつながります。
このようにInputとOutputが繰り返されていくことで、個人、関係性、集団が進化し、美しい立派な完全集団へとつながっていきます。
そんな人間と集団を育てるのが、学校という場所の本来の役割なのです。
『なぜりんごは落ちるのだろう』『なぜ私はここにいるのだろう』などの「質問」がテーマとなり「問題設定」ができて「問題解決」につながります。
学問は、大きく西洋と東洋の2つに分けることができますが、
・西洋は、「世界の根源とは何か」という質問
・東洋は、「人間は何のために、どのように生きればいいか」という質問
というように、「質問」の出発が異なっているのです。
実は、西洋も東洋も、学問の限界は「本当に解決しなければならない質問を知らずにいた」ということなのです。
それは、「人間の実存の問題」「人間の現実世界の問題」です。
『人間とは何か?』『人間が認識しているこの現実世界とは何か?』という、人間そのものに対する質問が解決できないまま、西洋は人間(主体)と現実世界(対象)を切り分けて研究対象にし『世界の根源とは何か』を探求してきました。
また、東洋は人間とは何かが分からないまま『人間は何のために、どのように生きればいいのか』という質問を探求してきたのです。
これは、人間5感覚脳の「観点の問題」とも言えますね。
では、私たちはいつも何を道具に「観察・観測」をしていますか?
つまり、学問(Input方式)の根本でもある人間の基準点が不完全であるのに、その問題に気付かず、現象を規定し、体系化していること自体が限界なのです。
この現実が「有る」状態が大前提だと、深い質問ができません。
本当は「無い」ところから「有る」世界が生まれているのですから、質問の方向性と深さが変わらなければいけません。
認識技術(nTech)では、無い世界がどのような世界なのか、真実の絶対世界をひとつの動きで明確に規定し、そこからどのようにして変化が生まれるのかという、変化の仕組みを明らかにしています。
ですから、「ひとつの動きしかないのに、なぜエネルギーが生まれているのだろう」など、Of(素材) By(仕組み) For(目的)全てに対して質問が生まれるため、無限大の好奇心とモチベーションが持続していくのです。
答えを導き出してはそれを無限大Outputし、教える能力も持続的に進化していきます。
学校へ行っても、何のために学ぶのか、何のために生まれているのかが分からないのですから、学校に対する憧れを失ってしまうのは当然ですよね。
明確なゴールと、持続的なモチベーションの維持、好奇心の維持に失敗している状態なのですから。
観点は、いつもずっと使っているものなのに、これらの問題に気付かずに、質問し答えを探そうとしてきました。
答えが分からない状態は無意識で不安な状態なので、もっとください、足りないと求めたり、批判し合ったり、決めつけ合ったりと人間関係はうまくいかず、みんなが傷だらけです。
これが、人間の実存の問題、現実世界の問題なのです。
例えば「いじめを根本から解決したい」とは思うのですが、その「根本」が何なのか分かりませんでしたから。
これまで西洋と東洋ができなかった学問と教育の限界を、認識技術(nTech)では解決しています。
この世界は、人間とは何かの答えでもある「真実の自分(人間の無限の可能性の世界)」です。
観点の次元上昇が起きて、変化の仕組みが分かった時に、人間の認識構造が変化し、社会構造が変わります。
これが、教育革命です。
私も本当の教育とは何かを探求している最中、Nohさんが体系化された認識技術(nTech)と2009年に出会い、人間の無限の可能性が明確に分かった時は、感動して号泣したのを覚えています。
まさに「根本」が分かったので、これまで解決できずに苦しんでいた様々な教育問題の全ての整理がつき、全てがつながったのです。
この教育にとても希望を感じました。
無限大の好奇心と持続的なモチベーションを可能に(維持)する学問(Input方式)と教育(Output方式)(を可能にすること)が、人間のDeep LearningでありDeep teacherです。
これまでは、学校と企業は別々のものでしたが、これからの時代は、企業が学校となり、このInput方式とOutput方式を教える場になっていくことが重要だと考えています。
また、Nohさんの著書『学校革命』を初めて読んだ時、学校の企業化、企業の学校化という、教育と経済の融合(Edunomics)にも驚きました。
まさに次世代の教育システムとして、世界の指針になると思いました。
予測不可能な未来に対し、明確に方向性を示し、世界の新しい基準点になる基軸教育に取り組まれているNohさんの意志やビジョンにも共感します。
ぜひ日本のみなさんと一緒につくっていけることを願っています。
Noh さん、今日は本当にありがとうございました。
*****************************************
いかがでしたでしょうか。
まさに「これからの時代に必要な教育」の方向性が見えたお話だったと思います。
この時代を生きる大人として、子どもたちの未来のために真の教育をぜひ一緒に創造していきましょう。
<関連リンク>
▶【動画】東洋と西洋の格差はいつ、なぜ生まれたのか?
▶毎日が面白くなる「nTech」入門編 ~ここを押さえれば全てがうまく行く、ここを押さえなければ全てがうまくいかない~
▶アルファ碁ゼロの登場から考える、新教育×新経済・Edunomicsのビジョン
▶Noh Jesu&内海昭徳 特別トーク「世界中の人が共有できる【基軸教育】の確立に向けて」
▶Noh Jesu著書のご紹介