2016年12月18日、大阪にて開催されたイベント「JAPAN MISSION PROJECT全国リレー講演会 平成の異端児・Noh Jesuが語る~IT経済以降の新経済と新教育~」。
古い秩序が大きく究極に破壊されていく現代、未来秩序の全体像である「人間性能2.0、3.0バージョン」を提案している事に興味を持った800名近くの方たちが、年末にも関わらず大阪会場に集結しました。
NR JAPAN株式会社・取締役社長の金子純一氏より、人間性能2.0、3.0バージョンをもたらす未来技術である、メタ認識技術とは何か。この時代に、なぜメタ認識技術が必要なのか、が語られました。
今回はそのご紹介です。人間代行者AI 80億が到来する未来、私たちが開発すべき領域とは?
前回の記事→未来はここにあった!人間性能の事を知って、未来秩序の全体像を掴もう。(1)
金子純一氏
私たちは今まで、科学技術というものを使って、人間の身体の外側を開発してきました。衣・食・住、そして車・スマートフォンという風に、空間そして環境・物体・物質を人の手をいれて、どんどん作り変えていきながら、人間を豊かに便利にしてきました。それがいよいよ人間の身体の中に入ろうとしています。
生身の身体の中を身体機能の1.0と読んでいます。
そして、人間の今度は身体の中に、筋肉や内臓の中にチップが入ってきます。そのことによって、人間の内蔵とITが繋がっていきます。その状態を身体機能2.0と言っています。
そして最終的に、どこに入りますか?脳に入ってきます。その脳にチップがはいることを、身体機能3.0と言っています。
3.0になったらどのようなことが起きるのか。
みなさん、ITともつながっているチップが脳に入ったらどうなると思います?皆さんの記憶データが、外部の記憶装置に保存できるようになる可能性があるということです。
そしてさらには、外にある情報をダウンロードすることができる可能性があるということです。SFのマトリックスとか、攻殻機動隊とか、ああいった世界が、もう、現実になろうとしているということです。
簡単にダウンロードするだけで、皆さんがいきなり、飛行機を運転できるようになる。そんなことも夢ではないかもしれない。そんなタイミングに今私たちは生きています。
<認識の分野にも人工感覚を>
そして、ここでもう一つイメージを広げていきたいと思います。自然物と人工物。
例えば、リンゴとかみかんは、どっちですか?自然物ですね。
飛行機や車はどっちですか?人工物。
自然物と人工物の違いは、自然は、人間の手を介在しなくても勝手になるもの。
人工物は、自然物に対して人間の手を加えることによって、作られたモノ。
だから例えば皆さんが実家に帰って、裏山に行って、あぁみかんがなっていたリンゴがなっていたということはありますが、裏山に行って飛行機がなっていたよ、ということは、あんまり聞かない話だと思います。
何故ならば、人間の手を加えなければならないから。
そのように、私たちは自然に対して人工的に手を加え、そして作ったものによって生活を豊かにしてきたんです。
それと同じように、人間の外だけでなく人間の中に入ることもできる。そして、更にその先には人間の感覚また意識、そして認識という分野にも人工的なものが入ってくるタイミングであるということです。
そして、ここでもう一つ考えてもらいたいことがあります。皆さん一緒に考えてください。
ちょっと、失礼な例えになる可能性があるので、ご容赦いただきたいんですけれども、仮に右足が不自由な方がいて、その方が義足をはめています。
その人は人間ですか?当然人間ですよね。
じゃあ、右足と右足が不自由な方がいます。義足と義手ですね。その方は人間でしょうか?当然人間ですよね。
それを延長して考えていった時に、脳以外の全てが人工物の人がいます。その人は、人間でしょうか。人間じゃないでしょうか。当然、人間です。
なぜならば、身体が人間ではない。そのことはね、私たちは直感的に分かっている。意識が人間だ。脳がつくりだす意識が人間だ。
じゃあ、もう一つ考えてほしいことがあります。私が帰りに事故にあったとしましょう。そして脳の前頭葉にちょっとケガをしちゃったとしましょう。そして何とかしないと私は死んじゃう。
そしてたまたま近くにいたお医者さんが、前頭葉を代替してくれる人工物をはめることで、私は助かった。記憶もそのまま人格もそのまま。
私は、人間でしょうか。人間、あーよかった。ありがとうございます。
<人間のイメージ=心が自分だ>
その帰りにまた事故にあってしまって、今度は後頭葉を怪我してしまいました。後頭葉も人工物で補います。私は人間でしょうか。人間。
安心していたら、今度は側頭葉を怪我してしまいました。それもなんとか補って助かりました。私は人間でしょうか。人間。
そうやって脳幹まで全部人工の脳になってしまったけど、人格も記憶も全部私のままです。私は人間ですか。
これがポスト身体社会と呼ばれる時に、最も考えなければならないことです。当然人間です。
ということは、今まで人間と思っていた、人間のイメージ自体が実は間違っていたということです。
今まで私たちはこの身体を自分として見てきた。でも、身体が自分ではない。心が自分です。
心こそが自分。心が何なのかは、後からお話していきたいと思います。
それでは、次にいきましょう。
この2.0、3.0この開発ができるのは、科学技術の領域です。
この科学技術の領域、この人間の性能が上がっていくことを人間性能バージョン1.0と言っています。
しかし、身体の機能・身体の性能がどれだけアップグレードしたとしても、結局AIに負けてしまうじゃないですか。
とするならば、AIが開発できない領域を、私たちは開発しなければならない。科学技術が絶対にたどり着けないその領域を、私たちは開発する。それが、人間性能の2.0という世界です。人間性能の2.0、それはですね、私たちは今まで人間の5感覚脳、ここから見ている世界を全てだと思ってきました。存在が有ることが大前提なんです。存在が有ることを大前提にみていた私達。でも、存在の身体が自分ではない。とした時に、何が自分なのか。無を知らないといけない時代にきたんです。その無とはなんでしょう。
<見ている世界は、観測なしには存在しない>
じゃあちょっと、量子力学という話をしながら、それを皆さんとご理解いただきたいと思います。
量子力学、それは、私達の身体や物体を構成している最小単位、素粒子。それは、人間が観察していない時は波動のような状態、観察した瞬間に粒子になる。このようなことを示唆しています。
これが何を言いたいかというと、私達が見たら有るということなんです。
隣の人をパッと見てみてください。見た瞬間に隣の人が有る。
目をそらしてみてください。見てなかったら、無いよ。
それが量子力学が言っている事です。
この量子力学が言っていることが昨年今年と、実証されました。
ミクロの世界に関しては、去年オーストラリア国立大学で。マクロ、大きな世界に関しても今年、11月にNTT研究所とイリノイ大学の共同研究で、私たちが見ている世界は、私達の観察・観測なしには存在しないんだということが実証されちゃったんです。
そうであれば、私達が観ているこの世界、これは認識された結果です。
じゃあ認識される前の世界、これは、一体何なのか?その真実とは何なのかを私たちは知る必要があります。
その認識される前の世界。それこそが本当の心、本当の自分になってくるんです。その本当の心、本当の自分に立ち返ること、それをちょっとスクリーン原理という話でお伝えしたいと思います。
<スクリーンの外に出ること>
映画館にみなさん行かれた時、白いスクリーンに映像がうつりますよね。そこに映った映像、そこにいる主人公がもし映画のスクリーンからビヨーンと飛び出ることができたら、そして、その映画をくるっと眺めたら、どう思うと思いますか?
あ、自分がいたのは映画の世界だったのかって気付くじゃないですか。
それと同じように、今私たち、ここにいる私達は、3次元の立体スクリーンの中に閉じ込められた存在なんですよ。
この3次元の立体スクリーンの中から出ることができ、そのスクリーンからも出ることができたら、あぁ、私達の現実とはこれだったのか。何故現実はこのようになっているのか。本当の真実とは何なのか?それがよーくわかるようになるんです。
それを、信じるだけでもなく、しっかりと理解することが必要なんです。そのこと、その世界のことをゼロ感覚・ウルトラスピード感覚と言っています。
この領域が分かることを、私たちは人間性能2.0、人間の認識の性能が上がったことを言っています。
そして、完全にゼロ化された状態、これは釈迦が言った空の世界であり、老子がいった道の世界であり、このような事を誰もが認識再現することができる技術。それが、メタ認識技術です。
とにかく、その領域、それが認識できるようになることが、人間性能2.0です。
そしてここからが一番重要な話です。私達の現実から完璧に出て、自由になった。それで終わり~だったら、あんまり意味がないと思いません?
私達はその自由になったところから、今ここの現実スクリーンに戻って、どんな現実を作るのか?そちらの方が大事だと思っております。
AIが人間の機能を超える時、人間は何をするのか?その問いに対する答えは、人間は完全組織・完全集団を創るためにあります。
■講演動画