こんにちは。編集部の太田です。
今日は編集部のもとに、これからの社会を担っていく29歳の男性から相談をいただいています。同じ問題意識を抱えている方も多いと思いますので、ぜひご自身のライフスタイルと合わせてイメージしてみてください。では、相談内容からご紹介いたします。
相談者
大手企業で働く営業職7年目の29歳男性
相談内容
「私は大手企業の営業として働いて7年目になります。
仕事に対しても誇りを持って取り組んではいるのですが、職場で「将来のために貯金をした方がいいぞ」ということを言ってくる先輩の姿を見ていると、近い将来、自分もこんな風になってしまうのではないか、と不安を感じてしまいます。
自分の3年後、5年後が予測できてしまう今の会社でこのまま仕事を続けるのか、30歳になるのを機に転職した方がいいのか迷っています。」
自分が働く職場や近い将来に対する不安は、誰しも感じたことがあるのではないでしょうか。この内容に対してNohさんはどのようなアドバイスをされるのか、さっそくうかがっていきたいと思います。
判断の知識がどこから出発しているのか?
- 太田
- Nohさん、今日は読者の方から相談が来ていますので、この内容についてうかがいたいと思います。
- Noh
- ありがとうございます。読ませていただきました。
- 太田
- この内容を読んで、私も入社3年目くらいに同じ問題意識を持っていたことを思い出しました。特に20代のみなさんは非常に関心度の高いテーマではないでしょうか。
Nohさんはこの内容を受けて、率直にどう思われますか?
- Noh
- 相談者の方が最終的にどんな判断をしてもいいと思うのですが、全ての物事を判断する知識がどこから出発しているのか、それを整理する必要がありますね。
- 太田
- それは相談内容からあげれば、今の会社に勤め続ける方がいいのか、あるいは転職した方がいいのか、先輩の言うとおりに貯金をした方がいいのか。その判断をしている知識が何なのかということですか?
- Noh
- はい、そうですね。多くの人は、自分がいる会社の中の現象を見ることを通して情報を蓄積します。それを自己流で論理化・理論化させて、無意識的に自分が正しいと思っているのです。
相談内容を例にすると、判断する知識が“先輩の判断”になってしまっているといえますよね。
- 太田
- 確かに、先輩の判断を受けることによって悩みが生まれているという整理ができそうです。
- Noh
- さらにいえば、人は現象を観察・観測することによって情報を得ていますが、実はその観察・観測するところに大きな問題が隠れていることを意識していないのです。
そんな状態で時代を読もうとするのですから、どうしようかと不安になってしまうのは当然ですよね。
おそらく相談者の先輩も、そのことがわからない状態で先輩の現象を観察し、悩みながらやってきた可能性が高いと思います。
- 太田
- なるほど。どこに問題があるのか、原因がわからない状態で人生を模索している状態だと心が苦しくなってしまいますね。
- Noh
- 自分の未来が暗いのは、会社の組織がダメだからなのか。もしくは頼るべき先輩が無能だからなのか?
もし相談者の彼が、このことが原因であると思っているのなら、組織の先輩によって自分の人生が操られている、ということを認めてしまっているレベルですよね。
- 太田
- 胸に突き刺さる思いです。
でもNohさん、自分に比べて経験が豊富な先輩や上司の判断を鵜呑みにしてしまうということはよくあるパターンだと思いますが、そのこと自体に限界があるという話にも繋がりませんか?
- Noh
- そうです、その通りです。どこに悩むのか、悩みのアプローチを変えないといけませんね。
人間にもディープラーニングが必要
- Noh
- まず、自分の中に物事を観察・観測しているという観点があることを理解することですね。相談者の方も観点がある、先輩も会社も判断する観点が必ず存在します。
- 太田
- 観点の問題については、以前にまとめた記事があるので、それを読んで理解を深めていただければ嬉しいですね。
誰しも観点を持って出会っているということですが、先輩はなぜお金を貯めた方がいいと言うのか、なぜ自分は将来に不安を感じ、転職したいと思うのか、観点があることを理解すれば、悩み自体が変わると思います。
しかし、そこから現実的にどう変化を作っていけばいいのかというのが、相談者の方も気になるところだと思いますが、その点についてはどう考えれば良いですか。
- Noh
- 実は、悩みが変わったとしても限界なのです。なぜなら、人々の判断を判断する知識がない。だから人は悩むのです。
仮に相談者の方の先輩に限界があるとするならば、その先輩が観察・観測するための観点や、物事を観察する理論がどのくらいのレベルなのかを、相談者の方がきちんと理解できるようにならなければなりません。
判断する知識をアップグレードさせる技術が必要だと思いませんか?
- 太田
- なるほど。人々の判断を判断する知識というとアプローチがかなり深くなってきましたね。
判断する知識をアップグレードすることで、自分の判断が生まれる根拠も整理できるし、先輩などの判断も理解できるということに繋がるわけですね。
- Noh
- 単なる知識ではなく、すべての知識を生み出すメタ知識です。
人々の判断を判断するメタ知識を得るということは、まさにディープラーニングの学習方式といえます。人工知能が飛躍的な進化を遂げているのも、ディープラーニングによって学習方式が変わったことが大きな要因ですが、それと同じですね。
- 太田
- 人間の判断に対してもディープラーニングの学習方式を取り入れ、深い観察能力を手に入れるということですよね。そのメタ知識について、もっと詳しく聞かせてください。
多様な判断を判断するメタ知識とは?
- Noh
- 例えば、排泄物を探しているハエのレベルの観察・観測があるとします。そのハエをターゲットにして観察・観測するカエルがいます。
ハエとカエルの観察・観測する観点を比べてみるとどのような違いがありますか?
- 太田
- シンプルにカエルの方が広いですよね。
- Noh
- そうですよね。
ではもっと広くして、次にカエルの動きを全部統察してカエルを食べようとしているヘビの観察・観測する観点がある。ヘビを捕ろうとしてヘビの動き全てを統察しようとしているタカの観察・観測する観点がある。 タカを捕ろうとしてタカの動きを見ている人間の観察・観測する観点がある。
ここまで観点を引いてみたらどうでしょうか?
- 太田
- 観察・観測する観点を引くことで、どんどん広くなっていき、自由度があがっていくイメージです。
- Noh
- そうですよね。そして、さらに観点を広げていくとどうでしょう。これ以上引くことができない、全ての観点を生み出すメタ観点があります。
そして、そのメタ観点を生み出す材料(of)・仕組み(by)・存在目的(for)までわかったうえで、観点がない、世界の根源からメタ観点が生まれる仕組みをマスターするということがメタ知識です。
- 太田
- なるほど、観察・観察する観点を究極まで引いたメタ観点と、それを自由に使いこなすメタ知識。
なかなかイメージすることは難しいと思いますが、それらをマスターすれば、多様な現象を見る意識も大きく変わっていきそうな気がしますね。
- Noh
- 人間と人間の宇宙が実在して、この体をもって判断経験している状態だと人間関係は摩擦・衝突し、良い関係性が結ばれにくいです。判断する知識を共有共感することも難しいです。
これらを経験認識と表現してみましょうか。
それらとは対照的に人間と人間の宇宙は実在しない、世界の根源であるワンパターンの動きによって全ての判断を判断するメタ知識を活用していくことです。
人間が脳の観点に固定されていることや、判断を生み出す仕組みまでわかるようになるのが先験認識(概念認識)ですね。
この先験認識を習慣化していくことは本当に重要なことなので、そのイメージが伝わればいいですね。
- 太田
- ありがとうございます。人間と人間の宇宙は実在しない、観点もない世界から観点が生まれる仕組みを整理していくことの価値をもっと深めていければと思います。
操られるのではなくチャレンジすること
- 太田
- Nohさん、では改めて相談内容に戻って、どんなアドバイスができるのでしょうか。
- Noh
- 自らが主体性・自発性・能動性を持って生きる姿勢・態度を蓄積しなければいけませんよね。先輩の能力や組織のせいにしている限りは、いつまでも不平不満しか蓄積しません。
- 太田
- そうですよね。先輩や会社の判断のせいにしているということは、自分の可能性を自分で殺してしまっていると言えるのではないかなと感じます。
- Noh
- 体人間30歳のサラリーマンではなく、人間と人間の宇宙が実在しない状態、すなわち世界の根源から、なぜ今の組織が必要なのか、どのように組織を作っていけば美しい組織を作っていけるのかを判断できる自分自身になることです。
その次に、自分が組織を作る側の立場になって、組織の悩みがどこにあるのか、今どこが一番うまくいっているのか、あるいはうまくいっていないのかを観察することですね。
そうやって会社の中で一人ひとり尊厳関係ができる人を増やしながらコネクションも広げていってほしいですね。
- 太田
- なるほど。体人間に固定して先輩や会社に操られるのではなく、世界の根源と繋がった自分自らが会社を変革していくという意思も必要になっていくということですね。
- Noh
- はい。自分の観察もシャープになっていけば、間違いなく人よりも問題解決能力が抜群にアップしていきますし、今までの会社組織では考えられなかったコンセプトを取り入れて勝負ができるようにもなっていきます。
もしその時に会社側がコンセプトを受け入れないのであれば、自分が外に出て独立して組織を作ってもいいですし、別の組織に移ってもいいのではないでしょうか。
- 太田
- 先輩が嫌、会社が嫌というレベルではなく、メタ知識を活用した先験認識を使って人間関係や組織を再構築していくチャレンジが必要だということが理解できました。
その上でビジョンが一致するのかどうかを判断して、転職や独立ということも選択肢として考えていけばいいということですね。
- Noh
- そうですね。
相談をいただいた方を始め、多くの方が判断に惑わされないためにも、多様な判断を判断するためのメタ知識をまずは身につけていってほしいと願っています。
そこから新しい人生がスタートしていくはずです。
*****************************************
いかがでしたでしょうか。ふとした事がきっかけで自分の将来に対する漠然とした不安や悩みというのが生まれることも多いと思います。
その時にこそ判断を判断する知識がどこから出発しているのかを整理してみてはいかがでしょうか。その道具となるnTechにぜひ興味を持っていただければ幸いです。
▶人間代行者AIが80億登場する情報の大氾濫時代(1) ~情報知識を整理整頓する羅針盤~