2012.06.01 コラム

社会プレートの危機

ギリシャに端を発した欧州の金融不安は収まることなく、ついにユーロも96円にまで下がりました。世間では、これを景気/不景気ではなく構造的な危機であるとみなしていますが、私の観点から見るとそれも違います。今回の危機は、社会プレートそのものの危機です。

これまでの資本主義は、主に欧米式と日本式のモデルが世界を牽引してきました。市場原理主義と呼ばれたマーケットに依存する新自由主義の欧米式モデルは金融バブルを生み出し、重症の患者に点滴を打つような政策しか打ち出せていません。政府が主導権を取りマーケットをリードする日本式モデルは、百五十兆円も投入したにも関わらず、30年間の景気沈滞を突破できる新しい未来産業を生み出すことができていません。

どちらもお金の力に依存した政策しか立てたことがない為、人間の心の力や人本主義的な政策にはイメージが及ばず、西洋も東洋も国家が連鎖的に破綻する共滅の危機に瀕しています。

このような時代において、時間が経てば景気も回復するだろうと考えるのは愚か者のすることです。そんな大きな問題は誰かがなんとかしてくれるだろうという淡い期待も抱かない方が賢明です。誰もやってくれません。実際、世界中のトップが集まる会議で欧州の救済策を考えた結果が今の現実なのです。

現代は、資本主義と科学技術が堕落している状態です。堕落というのは、双方ともお金儲けゲームに走ってしまい、本来の役割を忘れているからです。資本主義と科学技術が本来すべきことは、人間の開発です。人間を悟らせ神に近付けようともせず、お金儲けゲームの駒、組織の歯車に貶め、人間をあたかも部品であるかのように扱う資本主義と科学技術の在り方で、本当に人は幸福になれるでしょうか?

自動車であれば、組み立てた後は作動することが重要です。人間を自動車に見立てると、組み立ては認識、作動は行動となります。人間とは何なのか?何の為に、どう生きるべきなのか?その認識が明確にできていれば、まったく新しい生き方をスタートさせることができます。次元上昇した認識を得る為にはアイデンティティーの変化が最も重要になります。それを叶えるステップは、Know→Do→Feel→I amです。この中でも一番重要なのがKnow(理解)のパートです。

観術を学ばれた皆様が日常生活でイメージ言語を如何に活用できるか、それがこの時代を突破する鍵となっていきます。

次元上昇したHITOTSUのイメージを改めて明確にしながら、観術とイメージ言語を道具に、どう現実世界に応用活用するのかを考える「観術振り返りセミナー」も7月7日からスタートします。ぜひ学んだ内容を忘れて日常に戻るのではなく、新しい生き方を選択できる進化した人類となって、共に未来を切り開いていきましょう。

Noh Jesu