これまで私たち人類は、人間の5感を絶対基準にした観察・観測行為を行ってきました。
しかし、人間の5感覚は絶対でしょうか。
脳は全体を認識することができず、部分しか取れないという機能的限界があります。また、「違いだけを取る、過去とつなげて取る、有限化して取る」という認識の癖もあります。
それらを自覚しないまま、5感で見えるものを「絶対有る」と思い込み、「宇宙は実在する」という大前提で、人類は宇宙自然の根源を探究し続けてきたのです。
しかし、どれほど素晴らしい研究や実験を重ねたとしても、大前提が間違っている状態では、正しい答えを得ることは不可能です。
昨今、物理学で「この宇宙はホログラムのようなものである」という考え方が出ています。
人類が500万年間ずっと「絶対に存在している」と思い込んできた「人間」も「人間が見ている宇宙(現実世界)」も、脳の錯覚現象であり幻であることを、認識技術(n-Tech)は立証しています。
今、人類が500万年間続けてきた脳の思い込みの殻から出て、「人間(自分)と人間(自分)の宇宙は実在しない」という大前提へ認識の大転換を起こす時が来ているのです。
AIが大きく進歩するこの時代、人間が思い込みによる独断的な知識から自由になり、現実を楽しむことができる新しい人類の文化文明へ移行することは、時代の願いでもあります。
認識技術では、この宇宙が実在するものではないことを明確に理解するために、138億年のすべての時間・空間・存在と、それらを生み出すエネルギーまでもオールゼロ化する思考方式で説明しています。
人間は、生まれてからずっと、考えの建物を立てているようなものです。一度建てた建物を壊すことができず、さらにその上に思い込みや観念を積み重ねてしまっているのが人生といえます。
固定した存在に留まったり、見えたり聞こえたりする世界に留まることが、錯覚にはまり、執着・愛着にとらわれる原因であり、苦しみ・悲惨・残酷・屈辱の原因、不幸と無知の原因です。
古い建物をオールゼロ化できたら、さらに美しい建物を建て直して、現実を楽しむことができる新しい感覚を付けることがとても重要になります。これを「ゲーム感覚」といいます。このゲーム感覚を通して、統制調節不可能だった宇宙(現実)を自ら再構築することができるのです。
脳の観点に固定された状態で、古い建物を壊すことができずに、知ってる世界と因果関係に縛られている状態を人間性能1.0といいます。そして、古い建物を壊すことができ、知ってる世界と因果関係に縛られない心の機能を活用応用することができるのが人間性能2.0です。
すべてをオールゼロ化することで、複雑な世界から究極のシンプルになり、何をどのように考えればよいのかわかるようになります。
そのゼロ感覚から多様な現象を観ることができるのが次元上昇した観点です。これは、迷路の中ではなく上から俯瞰できる、現象にはまらない自由な心の観点であり、そのように観点を変化・移動させることができるのが、認識技術の中心価値になっています。
これからは、「有」の時代が終わり、宇宙は無いのが当たり前になり、「無」を活用する時代になります。
人間性能をバージョンアップさせる認識の大変革を可能にする認識技術は、これまで文明を発展させてきた科学技術を補完することができます。科学技術と認識技術の両輪がしっかりとバランスをとって発展し続けることで、物質文明を補う新しい精神文明の時代をつくることが可能になるのです。
主観的な観点から情報データを蓄積し、独断的な知識による摩擦、衝突、無知、不安、不信に留まるのではなく、客観的な観点から情報データを蓄積し、正しい理解による信頼と安心のもとで、美しいチームプレー、協力関係、尊厳関係を築き、愛と平和が溢れる新しい社会プレートを創建していく道を皆さまと共につくっていけることを願っています。
Noh Jesu